公開講演会「異文化コミュニケーションへの構成主義的アプローチ—理論と実践—」
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公開講演会「異文化コミュニケーションへの構成主義的アプローチ—理論と実践—」
~学部公開講演会『言語と社会や文化を<つなぐ>:世界と切り結ぶ異文化コミュニケーション』の一環として~
近年、とくにコロナ以後、アメリカにおけるアジア人への暴行事件やBLM運動が象徴的なように、様々な国や地域において人種?民族?イデオロギー?文化等の差に起因する分断が顕在化し、異文化コミュニケーション研究?教育の多くが依拠してきた既存の文化相対主義や多文化主義の限界が指摘されてきた。静態的?固定的な文化観に基づく文化相対主義や多文化主義は、相互理解のきっかけになる一方で、人間間の境界を明確化し、分断を助長したり、異文化間の協働を妨げたりするといった側面がある。そこで、異文化コミュニケーション学部では、文化相対主義や多文化主義の限界を超えて、人びとが多様性を認めつつ協働していくための哲学的基盤となる構成主義(constructivism)とそれに基づく異文化コミュニケーションの理論と実践を提唱してきたミルトン?ベネット氏(Dr. Milton Bennett)をお招きする。ベネット氏は、「自分の視点からは逃れられない」ならびに「それは悪いことでも良いことでもなく、ただ違うだけだ」とする文化相対主義や多文化主義の制約に縛られることなく、構成主義に立脚し、多様性を認めながら協力し合うことが可能であることを講演で述べられる予定である。
講師
ミラノビコッカ大学客員教授(Adjunct Professor of intercultural studies in the Department of Sociology of the University of Milano Bicocca in Italy)
ミルトン?ベネット(Milton Bennett) 氏
ミネソタ大学大学院にて博士号(異文化コミュニケーション、社会学)を取得(Doctorate in intercultural communication and sociology, The University of Minnesota, Minneapolis)。ポートランド州立大学で教鞭をとった後、The Intercultural Development Research Instituteを設立し、エグゼクティヴ?ディレクターとして日本を含め世界中で講演活動、企業コンサルティング等を行っている。著書に、Basic concepts of intercultural communication : Paradigms, Principles, & Practices.(Nicholas Brealey, 2013)、『異文化コミュニケーション?トレーニング—「異」と共に成長する』(三修社, 2022)などがある。その他論文多数。